思えば、文房具好きは幼少の頃に始まっていた。記憶に残る「お気に入り」文房具は、三菱のノック式ボールペン、だと思う。1ノックで芯が出て、もう1ノックで収納される、パーカーのクラシックなんかと同じ機構のものだった。ただ、それはプラスティック製で、先の部分は透明の奴だった。
東京に住みだすと、家の坂の下に文房具やがあった。そこでは文房具とプラモデルと電化製品を扱っていて、お小遣いを持ってプラモデルを買ったものだった。今もさほど変わりがないが、25年前の赤坂9丁目には、そこくらいしか子供が遊べる店はなかった。
母が美容院に行く時、その文房具やに行ったのを記憶している。青、赤、緑・・・いろいろな(軸)色のいろいろなペンがあった。訳もなくフェルトペンなどを買ったりした。子供の小遣いで買えるのは100円のペンくらいしかなかったのだ。
東京に来て買ってもらった「かきかた鉛筆」は、カウンタックの絵が書いてあった。小学校に入学したときに買ってもらったのは「Uni」。当時は三菱の「BOXY」全盛期。途中からはすべてBOXY系の筆記具になった。BOXYの100円のシャーペン「M5-100」は数年前に絶版になってしまったが、絶版寸前に買いだめしている。同じくBOXYのボールペンは「スーパーカー消しゴム遊び」の発射台として有名だが、これは今もあるのだが時々買ってしまう。派生ブランドのB'sなど、BOXY関連の文房具は今も多くが捨てられずにある。そして、今でも三菱鉛筆の製品は比較的使う事が多い。
小学校では、先生が教室でテストの採点をしたり、学級通信の原稿を書いたりする時間が多い。その時に先生が使っている文房具が「プロの道具」という感じで憧れたものだった。特に好きだった3、4年生の時の担任の先生が使っていたのが三菱の極細ペンの「PIN」とぺんてるの「サインペン」だった。PINは今では絶版であるが、今だに極細ペンについては色、細さ、油性・水性の違いで机にそろえるようにしている。
先生といえば、公文式の教室に通っていた頃に先生が添削に使っていたピンク色のインクのペンがずっと欲しかった。このところいろいろな万年筆について調べているうちに、ついに「添削ペン」「ソフトペン」と呼ばれる筆記具であることがわかり、探しはじめたところ地元のSATYで求める事ができた。ただ、付属のインクではあのピンクが出ないらしく、万年筆の赤カートリッジを使う必要があるようだ。
それから、学習塾の先生の使っていた製図用シャーペンにも憧れた。当時は地元の文房具やのショーケースに入っている品物だったから「これをください」と言わないと出してもらえないものだった。勇気を出して買い求めたものだった。
あの頃から30年。つかえなくなった筆記用具は頻繁に捨てているが、こだわりのあるもの、ないもの問わず、とにかくたくさんの筆記用具がある。整理のしようもなく、でも使えるので捨てるのもしのび難いものである。
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