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2010.11.06

山下達郎 Performance 2010(2010/11/5・NHKホール)

10月の大宮に次いで、Performance 2010の2本目はNHKホールの追加公演。

FC先行があったわけでもないし、コネがあるわけでもない一般人スーパー手配師、K氏のおかげで、NHKホールも1F(左手のお客さんでした)にてじっくりと楽しみまして。

NHKホールには、もう何度行っているのだろう。通算で10回は超えていると思うんだけど・・・

初体験は子供の頃、「歌謡ホール」の公開放送。当時も今も、演歌系の歌手が多い火曜日20時(蛇足であるが後枠となる「歌謡コンサート」司会の小田切千アナウンサーは、我々のサークルの先輩である)、この日は松田聖子が出演、「黄色いさくらんぼ」を歌った(記憶では、この手の番組で、この回を含め2度ほど歌っているのではないかと思われる)。河合奈保子ファンの私が、奈保子を一度も見ていないのに、アンチだった松田聖子はなぜか生で見ている・・・レッツヤンは当たらなかったし、子供だったから仕方ない。

高校の時には全国高等学校放送コンテストの本選を見に行った。私事だが、高校3年の時に、個人アナウンス部門の東京都代表として同大会に出場している(ただし、予選落ち)。最上階の最後列から、全国のうまい高校生のアナウンスを聞いて、唸るしかなかった。

大学時代は渡辺美里や外タレのコンサート、そして山下達郎がNHKホールを東京の準フランチャイズとした12年間、ツアーの間に1度は渋谷に行っている。しかし・・・

これまですべて3F!今回初めての1F。柴田さんの前、小笠原君のプレイも堪能できる。目線は・・・佐々木久美さんの対角線上。

千秋楽が地方遠征となる近年の達郎ツアー、前ツアーは沖縄フィナーレ前のサンプラザ最終、今ツアーも八戸を前にしたNHK最終。

「実質的な千秋楽」、というご本人毎度の発言は、笑点・地方ロケにおけるこん平の定番「●●で生まれちゃーざー村で育った・・・」のようなリップサービスの面もあろうが、定席での公演の最終日、というのはやはりプレイヤーの気持ちも入っているようだ。終盤、咽がカレた、と苦しい場面もあったが、達っつあん自身の鳴りは今日もすばらしかった。

残るところあと1公演残しなので、ネタバレは最小限だが、今日は「実質的な千秋楽」らしくアンコールでは1曲追加となっていた。

それにしても・・・なぜに追加公演のファイナルが八戸?という謎は残る。まあ、本当に打ち上げ旅行を兼ねた面もあるようなので、今回は大間のマグロや八戸のイカを楽しまれるのではないか・・・というK氏の予測。

私は今ツアーのセトリの流れで八戸かなぁ・・・という気もしないでもないのだが、変に八戸を知りすぎているから故の邪推かもしれない。いずれにせよ、本当の千秋楽、八戸公演に行かれる方、メンバーのプレイは回を追うごとに良くなっているようですので、ぜひエンジョイしていただきたい。

一点だけ。山下達郎のツアーには1stキーボード、難波弘之のフェンダー・ローズ・スーツケース・ピアノが定番である。今回もスーツケースは健在なのだが、もう1台、達っつあん専用にRhodes Mk.7が置いてある。達っつあんは「フェンダー・ローズ」と呼んでいるが、厳密には現在のローズはフェンダー傘下ではないので、「ローズ」と呼ぶのが正しい。

何のことはない。達っつあん用の古いローズ(Stage Piano Mk.1かMk.2だろう)が壊れて、代替品がなかったのであの曲は弾けなかったというのだ。

確かに、1990年代のローズは、ローランドが電子的に模した「サンプリングキーボード」だった。90年代にはサンプリング技術は確立されているから、ほぼ忠実な音は再現できていると思う。ローランドの電子ピアノでも、打感はそれなりだと思うのだが・・・達っつあんは昔のローズの使用感じゃないと、その歌が歌えなくなってしまうのだと。

確かに、サンプリングキーボードでは、ローズが内部で共振する、あの音や、キーボードのタッチは再現できなかった。事実、「名ばかりのローランド・ローズ」の楽器としての評価は低い(だけど、中古市場で値落ちしないのは、やっぱりあの音は使いたいミュージシャンが多いということだろう)。

こじんまりとだが再建された新生ローズ社の第1号製品がMk.7。日本ではFenderUSAと同じく山野楽器がディストリビューションしており、すでにスキマスイッチの常田君なども使っている(彼のMk.7には「ShintaRhodes」というシャレが書いてある)のだが、達っつあんのモデルは日本導入第一号機だそうで。

これでずっと「あの曲」をステージで演奏できる、とご本人は仰るが・・・ローランドが余し、コルグやスタインウェイを抱えるヤマハは、かつての宿敵CPのメーカーであるわけで。楽器はどうにかなるかもしれないが、サポートは心配なところ。

「1980年代からなーんも進歩してません」とのご発言も今日はあったが、確かに・・・キーボーディスト目線でも、難波センセはグランドピアノとスーツケース・ピアノ、柴田さんもメインはハモンドで、ここぞという定番の音のためにオーバーハイムやDX7が登場する。一番新しいのがヤマハのMOTIF・・・(実際は裏にラックがあるんだと思うが)。

1980年代、TMNに代表される機材に囲まれるキーボーディストのステージを見慣れていた私にはさびしい面もあるが、事実90年代後半から、ステージのキーボードはシンプルな構成になっている。

それでも・・・DX7の音はDX7から鳴らさないと、やっぱり時の達郎のサウンド、にはならない。

逆をいうと、山下、難波、伊藤、土岐の4名が30年近く同じ楽器で同じ楽曲を演奏している。そして2ndキーボードも奏者は変われど、同じ機材、同じ音色で演奏している。

さらに、奏者は超一流。悪いはずはないのだよなぁ。

渋谷の街で演奏するストリートミュージシャンを見てK氏が呟く。「今日の客の耳は肥えてるから気をつけろ」。

20代、30代のお若い方が増え・・・親子で並んで達っつあんの演奏を聴いている姿も目立つような気がする。「自称若手」の我々だが、実は主客層である40代から50代のナイヤガラ世代の先輩方でも、「お若い方」でもない、中間層なのだ。

まあ・・・そうはいっても山下達郎がNHKホールを使い出したのと同時にツアーに(オーディエンスとして)参加させてもらっているわけだから、かれこれ12年?まあ、とりあえずベテランではあるんだな、たぶん。

最後に・・・大阪フェスティバルホールに続き、NHKホールにも建替え・改装の話がチラホラ聞こえだしているとのご発言。思えばNHKホールもまもなく築40年である。そろそろ、そういう声が出だしてもおかしくない。

近頃は公開生放送も少ないし、紅白歌合戦の存亡も危うい。NHKホールには芸人の血と汗と涙が染み込んでいると達っつあんはおっしゃる。

それだけではない。日本を代表するNHK交響楽団の主たる演奏場であり、日本有数のパイプオルガンの設置場所でもある。

とはいえ、フェスティバルホールも大阪フィルハーモニー交響楽団の本拠でありながら、大阪フィル自身の利用頻度も減り、ホールを維持することができなかった。

確かに、エントランスや1Fロビーは、少しすすけた印象もある。また、クラシックホールとしてのNHKホールの評価は低い(サントリーホールや東京芸術劇場などのクラシック専用ホールと比較しての話)が、NHKホールが汎用ホールの基準を引き上げ、レベルを高めてきたことは間違いないと思う。

「NHKホールまで壊される日にゃ、私ぁ暴れますぜ。」

間違いなく、数多くの名演が行われたホールの一つ。まだ暫くは大丈夫だろうが、NHK放送センター自体の老朽化・再開発の話もあるので、暢気にもしていられないだろう。

サンプラザも運営が安定していないし、パストラルや厚生年金はなくなった。イイノホールは改築後復活するが、日比谷公会堂こそ危ない・・・

JCBホールなど、新たなステージも登場してきたが・・・守るかどうかは所有者の決めることだが、利用者である我々も、無関心ではいられない。

達っつあんからフェスティバルホールクローズ時以上の大毒舌を聞きたくはないなあと思う次第。

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